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 ほうそう神様


 

 村中のちょっとした、住宅と住宅の間にある、「ほうそう神様」。
神様ということで、神社に位置づけられると思うのだが、ここを神社と呼ぶ人はいない。

   




案内板には、

ほうそう神様と花正月

正月の十四日を神津島では花正月と言い、子供らの無病息災を祈る行事が行われる。

この日は家毎に石臼で米の粉を挽き、直径三cmほどの団子を作り蒸し上げてから竹の小枝に数個をさし、
花の付いた椿の小枝と共に子供の数ほど神棚に供えておく。

やがて、学校や保育園から帰ってきた子供らは、神棚の団子と椿の小枝を持ち、
それぞれこの「ほうそう神様」へお詣に出かけて来る。

神前へ供え手を合わせたお詣の後、椿の小枝は残し、団子だけを下げて食べると、ほうそう神様の裏山へ登り、
手に手に「トベラ」の枝を折り戻って家へ持ち帰る。

家では、年寄り達が持ち帰ったトベラの枝を囲炉裏の中へ呪文を唱えながらくべる。

火の中でトベラは、はげしい音とともに、異臭と青白い煙を出し葉肉から気泡が出ては消えながら燃えていく。
このことにより、天然痘にかからない呪ないとした。

天然痘がなくなった現代もこの行事は続いているが、生活様式が変わり囲炉裏がなくなったのでトベラを持ち帰り燃やすことはなくなった。

島では、トベラのことを「シッチリ・バッチリの木」と呼んでいる。
それは、この木が火の中で燃える際、チリチリ、パチパチ、お独特の音を出すからです。

昭和五十六年三月 神津島村

とある。


 村史には、「第10章 慣習と伝説その他  第2節 神事と漁業の結びつき」で紹介されている。
内容はほぼ同一であり、書き加えるとしたら、

1月14日は巾着漁のその年の漁区の順位を物忌奈命神社の神前で厳粛に行われる
「くじ祭り」があり、村中にお正月の雰囲気が残っていたので、この日のことを小正月と呼んでいた。

とあります。


子供にとっては、訳のわかなないまま、お詣りをして、団子を食べる。そんな行事に捉えられています。